お金の話、といっても、投資や貯金を上手くやっていくには、とか、
上手にお金を儲けるにはどうすればいいか、などの分かり易い話ではありません。
これは、ATMで下ろしたり、お釣りとして頂いた現金を、どんな状態であれ、
自宅でのしたり、洗ったりして、できるだけ綺麗な状態に戻してから使う、
という事を、約1年間やってみて、私自身が気付いた事です。
ですから、「お金を引き寄せたい」とか、「お金のブロックを外したい」と
思っている人達には、最も縁遠く、あまり楽しくない話です。
いきなり、話が逸れますが、
日曜日から2泊で、島根県に旅行に出かけ、帰ってきたその足で、
4回目のコロナワクチンを接種してきました。
島根県には、10月にも行ってきました。
時間の都合上、出雲大社の「神在祭」の時期とはずれましたが、
特にこだわりもないので、普通に満喫してきました。
ところで、今回宿泊したホテルは、今まで宿泊したホテルの中で、
最も悪い印象を受けました。
有名なビジネスホテルのチェーン店らしいのですが、
自発的な挨拶や声掛けが全くなく、何となく不親切な印象でした。
(「おはようございます」も、こちらが言えばボソボソ返す程度です)
ネットの評判を確認してみると、度々悪い評価があり、
その苦情の申し立て、というのが、
「水回りが異様に汚い」「駐車場の代金を前払いしてキープしているのに、
一度出庫すると、別のお客さんの車を勝手に駐車され、返金された」
「フロントでお客さんに暴言吐くのは良くない」など、
ちょっと、今まで泊まったホテルでは、見ないようなものでした。
それが、私が今回泊まったホテルだけではなく、他の地域のホテルでも、
「水回りの汚さ」「駐車場」「従業員の接遇が良くない」は、
度々言及されており、どうやらここのチェーン店全体が、
そういう風潮で蔓延しているようでした。
今回は、出雲市にあるホテルに泊まったのですが、
松江にある別のホテルに夕食を食べに行ってみると、
(本当は、ここのホテルに泊まりたかったのですが、予約が一杯でした)
ドミナント作戦だか何だか分かりませんが、
松江駅に2軒もホテルを開業していました。
それを見て、私はこう思いました、
「ああ、ここの社長は今あるものを大事に使わずに、
絶えず新しい物ばかりを追いかけるタイプの人だな」と。
そして、そのような考え方が、既存の設備や従業員を大事にせず、
引いては顧客も大事に扱えない、という悪循環にはまっているようでした。
10月に同じ出雲市で泊まったホテルは、一畑電鉄のホテルでしたが、
内装も設備も価格も、今回のホテルと大差ありません。
ただ、一畑は出雲市駅から出雲大社までの交通を、独占状態なので、
ホテルや駅の従業員さんは、物腰や態度に非常に余裕があり、
会社からも大事にされてる印象を受けました。
のんびり、おっとり、丁寧で真面目、そんな感じです。
松江駅にも、ちょっとした百貨店を展開しているので、
上手に地域の中で商売をしていらっしゃる、という雰囲気でした。
ただ、そういう一畑でも、反対側にあるドーミーインに押され気味、
という感は否めませんが…。
去年末から、色々な所に旅行に出かけていますが、
そこで気付いた事は、サービスや製品を提供する側にも、
ちゃんと儲けさせてやらなくてはいけない、という事です。
高ければいい、という事ではありませんが、値段に見合うものより、
多少高いくらいが、丁度いいように思います。
以前、予約サイトを利用した時、
旅館側から明らかにサービスの質を低下させられた、
と感じる事がありました。
調べてみると、この手の予約サイトは、とにかく手数料が高いらしく、
ホテルや旅館側も利益を出すのに、苦労されているようです。
ですから、正規の価格帯よりも、安い値段で買いに来る客は、
売る側にとっても、安くて質の悪い客なのです。
自分が売る側になると、「お客様は神様ではない」と言い出し、
買う側になると、「高い」と怒る…。
これでは、景気が良くなるはずもありません。
言葉の表層だけをすくうのではなく、
「お互いに礼節をもって取引をするには」
という事をきちんと考えなくてはなりません。
お金というものは、無味乾燥な表現をすれば、ただの道具であり、
単なる情報のひとつに過ぎません。
しかし、そこに何らかの意味や解釈をつけるならば、
「日常生活を支えてくれるもの」であり、
「ちょっとした快感や幸福を与えてくれるもの」です。
多くの人は、「お金が欲しい」と言いますが、
それは大抵の場合、「お金を使う事で得られる、快感や幸福がほしい」
と言っているだけに過ぎません。
ですから、少ないお金でより多くの快感を得られるのであれば、
それに越した事はないのです。
ですが、そうやって安く得られた快感のしわ寄せはどこに来るか?というと、
当然、従業員です。
もっと露骨にいうと、安い社会体制は、そこに住む人たちの能力も、
より安く買いたたかれる事を求められます。
何故なら、顧客がより安い値段でサービスや商品を欲しているからです。
安く買われた能力は、その真意を発揮する事に喜びを感じません。
自己評価は下がり、自信もなくなり、他人だけでなく、自分自身にさえも、
疑心暗鬼になり、無為にすり減っていくだけです。
また話が変わりますが、お金をのしたり洗ったりしている、という事を、
友人に話したら、「そんな事しなくても、ATMで汚いお金を換金すれば」と
言われました。
言いたい事は分かりますが、それでは意味がないのです。
ここで最も重要なのは、「自分の手元に回ってきた現金は、
如何なる事があろうとも、絶対に選別しない」という事なのです。
どんなにしわくちゃなお札であろうが、汚れて真っ黒になった硬貨であろうが、
出来る範囲で綺麗にして、そしてまた使う、という事です。
このような事を、来る日も来る日も繰り返した結果、人間関係に、
少しづつ変化が訪れました。
それは、相手の感情に配慮しつつ、
丁重に自分の意見を述べる事ができるようになった、
という事です。
ある入居者さん同士のトラブルに、たまたま居合わせた事があるのですが、
私も仕事があるため、施設責任者に連絡し、その場の対応の指示を頂いた後、
そこを離れました。
ところが、派遣の施設スタッフが、どうやらそれを快く思わなかったようで、
後から、私に詰問するように根掘り葉掘り聞いてきました。
そこで、今後の事も考えて、
その派遣スタッフさんに以下のようなメモ書きを渡しました。
「大変申し訳ありませんが、入居者様のトラブルを発見した場合、
速やかに、それを全ての施設スタッフに報告する事は、難しい状況です。
ご迷惑をおかけ致しますが、私自身にも仕事がありますので、
トラブル発見時には、責任者や常勤の方々に報告させて頂いています。
トラブルや問題につきましては、各自でご確認頂きますよう、
ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。」
これを渡してから、何やかやとうるさ方だったそのスタッフからは、
一切干渉されなくなりました。
また、あまり人を大事にしないタイプの人にも、
上記のような返しをする事が増えたので、
露骨に軽んじられるような対応をされる事が、大幅に減りました。
儲けるために、卑屈になったり、変に下手に出たりすることは、
長期的に見ると、自分自身の価値を最も大きく下げる事になります。
しかし、だからといって、何でも言えばいい、というものでもありません。
どんな人や状況であれ、不快な思いはしたくないのです。
きちんと、しかし丁寧に伝える、という事は、他人だけではなく、
自分も大事に扱う事と同等ではないか、と思います。
お金や物を物理的に大切に扱う、という心構えは、
最終的に、人間関係にも大きく影響するのではないか、とそんな風に考えるのです。