普段から、人間関係で、色んな人の話を聴く役割に回る事が多いのですが、
一番ストレスになるのは、職員の愚痴です。
患者や利用者の愚痴を聞く分には、大抵の場合、病気やお金、
日常生活でできなくなった事への不安や心配が大半なので、
たいしてストレスはかかりません。
しかし、職員の愚痴は、人間関係や仕事の進め方などで、
自分の思い通りにならない事への不平不満がメインのため、
それは大抵、他者への攻撃を含んだものになります。
この他者への攻撃は、非常に大きなストレスになるため、
始まったな…と思うと、どこかのタイミングで、
気候や情勢、休日にどこに出かけたのかなど、
非常にどうでもいい話を振るように心がけていますが、
それでも、収まらない人は収まらないようです。
どうにもこうにもストレスが溜まって、私自身、イライラが収まらない時は、
いつも貴船神社に出かけます。
最近は、猛暑が続いたので、あまり出かけなかったのですが、
久しぶりに行って来ないとまずいな…と、何となく危機感を感じたので、
昨日、出かけてきました。
いつも、貴船口から奥宮まで、約40分かけて歩くのですが、
道すがら歩くにつれ、この日は、いつにも増して、
車が多く、奥宮手前の本宮に近づくにつれ、渋滞を起こしていました。
土日祝でも、こんなに渋滞を起こす事はないのに、
どうした事だろうかと、しばし考えてみて、
そういえばお盆だったのを、やっと思い出しました。
神社に近くなればなるほど、どんどん狭くなり、
おまけに片側には料理旅館が立ち並び、反対側には貴船川が流れています。
旅館の人が気ぜわしく道路を往来する中、歩行者もいるので、
車同士ですれ違うのもやっとの有様です。
普段は、関西一円、名古屋、四国あたりのナンバーくらいしか見ないのですが、
この日は、北九州、習志野、石川、群馬、湘南など、
あまり見たことのないナンバーを、ちらほら見かけました。
それでも、どうにか奥宮に辿り着くと、奥宮はいつも通り空いていました。
(やはり、本宮の方が人気があるのでしょう)
いつものように奥宮でお参りをしてから、
貴船川の川べりで水分補給をして休憩するのですが、
ここでぼーっと川の流れを見ながら水音を聴いていると、
不思議と、思考が止まり、とても良いストレス発散になるのです。
生憎、この日は雨が降り始めたために、短い時間しか滞在できませんでしたが、
それでも十分なストレス発散にはなりました。
帰り道も、相変わらず渋滞は解消していなくて、
お昼時だったせいもあり、川床料理を食べに来た人たちが、
雨の中列をなして、順番を待たれていました。
このような風景を見ていると、観光地という所は、
昔も今も、人の営みはあまり変わっていないのだろう、と感じました。
中学生の頃、今昔物語だったか何だかで、貴船神社ではありませんが、
桜の名所に、貴族たちがこぞって押し寄せた時の話が載っていました。
貴族たちはみな車(牛車)に乗り、一番良い場所で桜を見てやろうと、
押し合いへし合いしているのです。
そこへ、位の高いお大臣がやって来ると、皆一様に、
さーっと場所を譲るのですが、同じような位同士だと、
喧嘩になり、車を壊したり壊されたり、結構荒っぽいのです。
昨日の貴船神社では、車が壊れたりはしませんでしたが、
多少、混んだり揉み合ったりしてでも、
観光名所の一番良いシーズンの一番良い所を見たい、と思うのは、
昔から変わらないのだな、と妙にしみじみした気持ちになりました。
(これは、5月のある日に撮った、貴船川です)