なんでもよし。

最早、何でも良い。

意図的に完璧を捨てる。

こんにちは、Space-radです。

 

私はいつも、年の初めに何かの目標を立てるような人間ではないのですが、

今年の初夏頃から、

「自分の考える完璧を、本格的に解体していく時期なのではないか?」

と、強く感じ始めています。

 

 

 

「完璧主義」と一口に言っても、人によって、それを構成している価値観や

基準は、てんでバラバラです。

 

言われてみれば、当たり前の話なのですが、

意外と分かってなかったな、とこの頃は思っています。

 

この「理解しているつもり」というのが、なかなかの曲者で、

それが「つもり」でしかない事が、ぼんやりとでも自覚できていればいいのですが、

そもそも、それにすら気付けていない事の方が、圧倒的に多いです。

 

 

 

職場に、大変な完璧主義な看護師さんがいます。

 

一緒に仕事をする事はないので、全く、他人事のように、

この看護師さんの周囲の人間関係を見ているのですが、

周囲のヘルパーさんたちからの怖がられ方が半端ないのです。

 

この人は良く「給料が安い」とぼやいているのですが、

外側から見てると、この看護師さんが何で給料安いのかが、

すごく良く分かります。

 

簡単に言えば、「コミュニケーション能力が高くない」からです。

 

あるヘルパーさんが、この看護師さんの事を、

「とにかく、どんな時でも自分が一番でないと気が済まない。

さりとて、自分が責任を負うのは嫌なもんだから、

ヘルパーにも分かるように、明確な指示をしてくれず、

意図を察してくれないと、へそを曲げて喋らなくなる。

いつでも折れてくれて、自分に合わせてくれる人なんかいない。

だから、ここの施設はいつも看護師が足りない。

新しく雇っても、みんな辞めてしまう。

自分より前に出られたくないから、できる人が来れば、嫉妬して潰してしまう。

無視をされても精神的に応えず、全く仕事をしない看護師だけが残る。」

と、ぼやいておりました。

 

私はこれを聞いて、「他人事じゃないな、

私も自分の思い通りにならないからといって、怒ってばかりでは駄目だな」

と思いました。

 

そして、恐らく、これから10年後くらいには、

こういうタイプの看護師さんは、どんどん仕事がなくなっていくと思います。

 

何故なら、2025年の多死社会が一段落つけば、

高齢者人口は一気に減っていきます。

 

そこから先は、高齢者人口が増えることはないので、

お客さんの奪い合いが激化し、

更に、国は必要のない病院を整理したがっているので、

こういう病院を辞めていった看護師さん達が、施設に転職すれば、

現状の施設看護師さんは、知識的にも技能的にも到底勝てません。

 

そうなった時、ヘルパーさんや責任者、往診医との間に入り、

上手に取り持つ事ができるコミュニケーション能力の高さがあれば、

何も問題はありませんが、残念ながら、コミュニケーションにおいても、

現状の施設看護師さんは、病棟看護師さんに勝てる可能性は、

決して高くありません。

 

私が見てきた限り、施設看護師をやっている人の多くは、

病棟でやっていくだけの向上心や責任感に乏しく、

理想の看護師象と現実の自分自身に折り合いをつける事ができず、

格下と見下す事ができる、ヘルパーさん達と一緒に仕事をする事で、
自分の中の優越感を満たしている人が、大変多かったです。

 

これもまた、大変にややこしい話なのですが、

「理想の看護」に燃えて、若い頃からこの仕事を目指した看護師さんが、

陥りやすい罠でもあります。

 

「理想の看護師象」があるという事は、

逆説的に考えれば「理想の患者像」がある、という事です。

 

自分自身の事でさえ、上手くいかない事が多いのに、

他人を思い通りにする事なんかできません。

 

誰かを助ける立場にある人は、

「未熟な自分を認め、共存していく覚悟」が必要なのではないか、

と、最近では強く感じたりします。

 

 

 

これから、晩年に向かって、きちんと年を取っていけるように、

「いつまでも自分が最前線!」という自惚れや完璧主義を、

今までよりも、もっと意識的に解体して、

50代になる頃には、またそれらを再構築して、

新しい世界観を創っていこうと思います。